スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

懐かしの名勝負・日本バンタム級戦・山岡正規対グレート金山

この試合は、僕がまだ学生の頃、後楽園ホールで生観戦したものでした。

山岡は、元王者岡部繁(薬師寺には判定勝ち、辰吉にKO負け)と引き分け頭角を現し、その後やはり元王者、尾崎恵一に圧倒的な判定勝ちを収め、日本一位に上昇、薬師寺返上の王座を協栄の宮城と争い、一方的な展開でストップ勝ちしていた。

いかにも、辰東ジムという感じの無骨なスタイル、具体的にはディフェンスは堅いガード、パンチは相手の打ち終わりを狙った左ボディ、ワンツー、さらにフックを返すといった正統的なスタイルだった。いずれ、東洋、世界、という路線もマニアの間ではささやかれていた。

一方金山(李東春)は、カオサイ、エリー・ピカールと二度にわたって世界の壁に跳ね返され、ラストチャンスを求め来日した、コリアンファイターであった。来日初戦では、まだ韓国選手の扱いで、畑中清詞がローマンに惨敗したあとの再起戦の相手に選ばれ、小差判定負けしていた。もっとも、僕はのちに畑中氏と直接話す機会があったのだが、彼の現役を通じ、一番の強打者は金山だった、と回想されていた。「何度か目の前が真っ黒になった」ともおっしゃっていた。

試合は、一進一退の激しい攻防であった。山岡の激しいプレス、ガードを前にして、金山は戸惑いを隠せないようであった。「どこを打てばいいのか」というジレンマが、北側の通路に座ってみていた僕と、友人にははっきりと感じられた。たぶん、序盤は山岡が手数でポイントを押さえたはずだ。

しかし、さすがベテラン、金山は左右フックをガードの上にたたきつけ、スリーでガードの真ん中を貫く、という戦法に切り替えてきた。この手は、全盛期のタイソンもよくやった手法ではある。

たしかに、殆どのパンチを、山岡はガードしているように見えたが、時折「スリー」が顔面に入るとダメージが感じられた。8ラウンドになると、明らかに山岡にはダメージが、そして金山にはややスタミナ切れが見えてきた。

9回、山岡が意地を見せ、右で金山をぐらつかせた。この回は山岡であろう。となると、ポイントではやや山岡か…。

そして運命の10回、金山が最後の猛攻に出た。スタミナなどもう関係ない、という怒涛の攻めである。アッパーを食らった山岡は大きくぐらつき、グロッギーに陥った。金山の猛攻、逃げる山岡…

そこに、金山の渾身の左ボディが炸裂、悶絶した山岡はリングに倒れ、10秒以内には立てなかった…

逆転KOである。後楽園の観客は、「本物」が好きである。選手の国籍など関係ない。勝った金山には惜しみない称賛が贈られた。僕の友人は、興奮のあまり、涙していた。健闘した山岡も立派であった。山岡にクリンチのテクがあれば逃げ切れたかもしれない。しかし、山岡も勇敢であった。

さて、この試合だが、のちの二人の運命を大きく変えた。敗れた山岡は、世界路線からは大きく外れ、一戦こなした後、当時国内では無敵であった葛西選手のジュニアフェザー級王座に挑み、判定負け、引退。

そして金山は…。
ご存じのとおり、世界をうかがいつつ、日本タイトルの防衛を続けるも、チャンスは回ってこない。
ヨネクラの新鋭、川益(瀬川)の挑戦を受け、一方的に攻めながら、不可解な判定負け。再戦では、川益のスピードに翻弄され、判定負け、その後意識を失い、帰らぬ人になってしまった。

僕はこの試合を思い出すたびに、金山選手は日本タイトルをもし取っていなければ、そのまま引退して、リング渦に遭うこともなかったのでは…、そのほうが、幸せだったのでは、と思うことがある。

もはやかなわぬことであるが、金山選手に聞いてみたい気がする。「日本タイトルとれて、幸せでしたか?」と。

僕のような普通の人には、わからないことであるが…。






スポンサーサイト

テーマ : ボクシング
ジャンル : スポーツ

コメントの投稿

非公開コメント

No title

この試合、自分もバルコニーで観てたんですが凄い逆転劇でしたね。金山はこの後も帝拳の大蔵と凄い逆転劇を演じて「激闘王」みたいな感じでホールのマニアの人気を博しましたね。川益との2戦は残念なことになりましたが、2戦目のときはワタナベへ移籍したにも関わらず、コンディション調整が上手くいかなかったという話を聞きました。金山もそうですが、川益もあの試合の後、ピリッとしなくなった気がします。事故とはいえリング禍は被害者にも加害者にも不幸なものです。
確かセミで林小太郎、それに真部豊も出ていてお得感たっぷりだった大会でした。

すいません、山岡はトクホン真闘所属だったのでは?

チャベスのボディ・ブロー 様

コメント、ありがとうございます。

そういえば、あのころは「トクホン真闘」ジムでしたね。もっと昔の、磯上修一とかのイメージが残っていたので…ご指摘ありがとうございます。

帝拳の大蔵戦も、途中からペースを取り戻しての勝利でしたね。ただ、9回までのスコアでは、金山有利だった記憶があります。帝拳の選手でも「ホープ」扱いでないと甘い採点はしてもらえないんだなあ、と思った記憶があります。大蔵はやや年を食ってからプロに転向した元アマで、のちの日本王者の北澤に敗れたりしてましたので・・・。

確かに、瀬川も、あのあと交通事故に遭ったりして、あまりいい試合はできなくなってしまいましたね。ジェス・マーカ挑戦に失敗してから、なだらかに下降線をたどっていったような記憶があります。

日本タイトルで事故が頻発するのは不思議です。JBCは他国のナショナル・タイトルマッチのデータを取り寄せ、比較・研究してみる必要があるのでは、と思います。

場合によっては、日本タイトルを8回戦、もしくは9回戦にしてもいいと思います。
そして、ノンタイトル戦は、A級を6回、B級を5回、C級を4回、もしくは3回戦にしてもいいのでは???A級トーナメントやBタイトでもわかっていることですが、「だれた」試合がなくなると思います。確か、WBA傘下の地域タイトルには、9回戦制というのもあった記憶があります。PABAとかは11回戦ですね。

ボクシングに完全な安全を求めるのは、完全な自己矛盾ですが、21世紀をスポーツとして生き残るターニングポイントに差し掛かっているようなきもします。
スポンサーエリア
プロフィール

とんち番長

Author:とんち番長
後楽園通い、20年超えた、筋金入りのボクシングマニアです。東大や国公立医学部志望者の高校生や大学受験生に「受験」英語を教えることが仕事です(つまりしゃべりは全く駄目です)ので、たまに英文を引用して、受験生のひまつぶしにもなればいいと思っています。結構試験でのツボがあるかもしれません。

なお、かなりのスロ好きです。「デビルマン・悪魔降臨」の画像のプレミア性を理解できた方も、相当マニアなはずです。

この16384の1のプレミアボーナスは、明が美樹の首だけになった遺骸を葬るシーンが、フリーズを伴い、画像表示されるのが基本だとお気づきでしょうか。これは、実は何の変哲もない、よくありがちな美樹が悪魔に追いかけられる画面から入ったのすが、連続演出中にプレミア引いたのでしょう。

自称プレミアハンターで、特に初打ちでプレミアを引くのが得意です(笑)。今日現在、神に5回愛されています。

リンク
アマゾン通販
スポンサー
スポンサー
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
おすすめ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

フリーエリア
お勧め
ポイントをPOINTINで獲得!そして換金!完全無料のポイント サイト
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。